カテコを見逃すな!

テニミュに関する長めの独り言

多ステの魅力を知った。

副題:近い席だけが良席とは限らない

※この記事はミュージカル黒執事 寄宿学校の秘密のネタバレを含んだレポです。

来てしまった大阪。
先日の新テニミュが在学中最後の遠征になるかな~と思っていたのに。
私の学生ラスト遠征は4th不動峰になりそうです。

今回は生執事を初の3公演!
メルパ前方センブロ・1階最後列下手寄り・ライビュで見たので、それぞれの良さも絡めて感想を残していきたいです。
よく考えると、生で観劇した作品をライビュでも見るのは初めてだったので新鮮でした。

生執事を観に行くにあたり、過去作(千の魂・豪華客船編)と今作ゲネプロ動画で勉強しました。
今までの生執事は、豪華なセット・アンサンブル・キャスト・実力で、世界観で観客をぶん殴っていくような印象。見事に私もぶん殴られた。
それに比べて今作は登場人物がほぼ学生。
いつもの豪華絢爛・貴族の世界!とは原作の印象も異なっているし、キャストもフレッシュ。
ゲネ動画で見たP4曲のハモりを聞いたとき、今回は推し(田鶴くん・後藤大ちゃん)を見に行けるだけで満足、クオリティは問わない、と決意しました。

本当に申し訳なかった。

M1、シエルがセバスチャンを召喚して、ひとフレーズ目で圧倒されました。
私の知ってる立石俊樹じゃない。
私の知ってる立石くんは、幸村精市テニミュ)とマカロン(サクセス荘3)だけなのですが、彼の「神の子」幸村精市は、神の子でありながら、どこか「常勝」という神に捧げられた丸焼きの子羊のような、終始どこか憐憫を誘う在り方に感じられた。

それが今回はどうだろう。
シエルの魂という美味しいスイーツを嬉々として熟成させる悪魔の姿、聖なる教職者・ミカエリス先生としての姿、面倒くささと腹黒さをキラキラのオブラートで包んだセバスチャン・ミカエリスの姿。
あのM1だけで悪魔と執事の姿を自在に歌い分ける彼の姿に感動しました。
捧げられる子羊から、子羊を頂く立場になってた。
「塗りつぶすperfect black」ソロパート、私が見てた公演では一度も外していないのは本当にすごかったです。圧巻。

立石くんに(私が)ぶん殴られて始まった1幕。
歌とセリフで綴られる爽やかな学生生活。
ゲネ動画で大変なことになってたP4テーマソングも良い感じのハーモニーになってました。

私の推し達の姿もとっても素敵でした。
失礼ながらジェネリック真田・標準語の仁王だろって思ってたけど、ちゃんと英国紳士だったし、表情やしぐさに「慕われる寮長」がちゃんと出てた。
真田は床の間に「常勝」の掛け軸飾ってる武士みたいな雰囲気だったけど、グリーンヒルは男所帯の長男みたいな雰囲気が笑顔から出てて素敵でした。
ただ、彼だけみんなと同じダンスなのに3倍くらい移動してるように見えた。脚が長い。
前方席の時は双眼鏡を覗くと上半身か下半身どっちかしか見えませんでした。

バイオレットもセリフは少ないけどそこには確かな優しさとチェスロックへの親しみが滲んでいて、チェスロックもそれを分かって慕っている感じがとても良かったです。
あと二人ともダンス上手い。

推しと推しの絡みシーンとして楽しみにしてた、白鳥の宮でスケッチするシーン。
まさかほんとにグリーンヒルがポージングしてるとは思ってなかったので最初めっちゃ笑いました。
しかも本当にバイオレットがフランスパン投げつけてるし。
千秋楽の田鶴くんのひっくり返り具合がとんでもなくて、座席揺れたかと思いました。

一幕で推し以外に惹かれたのがモーリス役の田口司くん。
正直菊丸の時には笑顔が固くてあんまり得意じゃなかった(というか永田くんが理想の菊丸すぎた)のですが、今回の腹黒キャラ、めっちゃハマってた。
菊丸の天真爛漫感にはわたしは魅力を感じられなかったけど、今回の影を纏った笑顔や、レドモンドを慕いつつ裏でニヤけてる感じがとても上手で好きでした。
現地ではあのシーンずっと田口くん追ってました。

このままキラキラ学生ライフ!みたいな感じで終わるのかと思いきや突然の殺人匂わせ。
温度差でしんどくなりました。
はなまる元気な田鶴くんしか見たことなかったので、(高校生の)年相応の不安定さや、心の底の罪悪感がセリフのないところからでも伝わってきて、うわ解釈深……ってなりました。
2幕の回想でも思ったけど、この時一番冷静なのがバイオレットなのも好きです。

今回から変更になった葬儀屋役の堪大さん。
過去作を見たとき、和泉さんがあまりにも葬儀屋すぎて不安だったのですが、堪大さんの葬儀屋もとても素敵でした。
若さというか、イキイキさというか。
前作で正体を現した彼の、どこか吹っ切れたような活力みたいなものを感じました。
あとソロ高音がめちゃくちゃ綺麗でした。
田鶴くんが縁の上下の力持ちだとすると、堪大さんは神輿の担ぎ手と舞い手兼任してるみたいな感じでした。
いみわからん。

いよいよ2幕、クリケット大会です。
2幕はほんとうに体感5時間あった。
テニミュと噂になっていたクリケット大会、確かにテニミュだったし、なんならヒプステもしていた。
原作の雰囲気も技名もかなりテニプリっぽいので、必然的にそうなりますよね。
クソデカボイス審判田鶴くん、ラップする田鶴くん、明らかに雷を連発する田鶴くん……
初めて生で見る推しがこの作品で良かったと、神に感謝しました。
こんなにはなまる元気な田鶴くんを一度に浴びてよかったんでしょうか……

神に感謝したところで思い出したのですが、ミカエリス先生の十字架ネックレスが異常に長いのが気になった。
9年カトリック教育機関にいましたが、あんなに長い十字架の首飾りは見たことないです。
ロザリオ(そもそも首飾りじゃない)にしては構造がおかしいし、原作黒執事に準拠したんですかね。

クリケット大会、田鶴くんがはなまるなのは当然として、佐奈ちゃんと大ちゃんも最高でした。
海堂してる時の佐奈ちゃんしか見たことなかったので、大人しい方なのかと思ってたのですが、めっちゃはっちゃけてました。
あの長いティータイムを日替わりにする胆力。
ももくろパロ・ミュージカルチェア(人間椅子取りゲーム)・ビューティーコンテストの3つを見れたのですが、キャラ崩壊のギリギリのラインを攻めてた。
貴族だろうとドルイットこしゃくの親類だろうと、男子高校生はバカだからきっとあのくらいしますよね。
解釈の幅もミュージカル化の面白さだとおもいました、たのしかったです。

大ちゃんは正直ずっとしゃがんで絵描いてるだけだし、実際ライビュではほぼ抜かれてませんでした。
でも、大ちゃんを定点観察していると、お絵かきしながらチェスロックとお喋りしながら元気な田鶴くんを指指したり、審判するP4を見下ろしたり、細かい仕草の芸が深い。
「キャラクターが生きてる」と感じた瞬間でした。
ベンチワークだいすき芸人なので。
帽子落としてレドモンドに拾って貰うところと、そのうちめんどくさくなって袖に帽子ぶん投げちゃうレドモンド最高でした。

爽やかなマッサン(古い)みたいなボートパレード帽子被った田鶴を見ているうちに来てしまった真夜中のお茶会。

ここの机、客席に対して縦向きに設置されているので、センブロだとシエルの後ろ姿とブルーハウスの2人の横顔しか見えないのが残念だったのですが、ライビュはカメラが動くので、ばっちり表情がみえました。

ここがもう後述の回想に次いで良かった。
一幕でもバイオレットが一番冷静だったと述べましたが、シエルが校長に糾弾している間、
バイオレットは諦観にも似た表情で俯き、
レドモンドは自分達は何も間違っていないと言いたげな毅然とした表情で、
ブルーアーはどうにか自分達が正しいと分かって貰うために必死に釈明しようとしていて、
グリーンヒルは罪悪感でいっぱい、もう早く話して楽になりたいとでもいうような悲痛な表情。
4人ともそれぞれ違う感情を露にしていて、その4人の解釈の違いにも感動しました。
下手で見るとちょぴっとP4の表情見えるのですが、田鶴くん定点してて他見てませんでした。

ここ、寮弟はなにも知らないので大混乱している様子が本当にしんどいんですよね。
大好きな寮長がひとごろしなんですよ?私なら幼女になって泣いてるところです。

もうしんどいのに、ここに畳み掛けてくる一番の山場、回想編。
プリーフェクトなりたて・よろこびでいっぱい!がんばるぞ!ってなってるグリーンヒルが、それはもう眩しくて眩しくて……
4人は本当に綺麗で、真っ白だったんだなっておもいました。

アーデンの、学園の秘密を知った彼らの歪んだ表情も、それぞれ違った歪みで……

グリーンヒルが二人を殺した後、その手からクリケットのバットをそっと拐っていくバイオレット。
動揺と失望、驚愕の渦から抜けられていないブルーアー、レドモンドに対してもうバイオレットは“覚悟を決めた者”の顔をしていてしんどかったです。
ここ、千秋楽ではブルーアーが号泣しすぎて全然闇落ちP4ソング歌えてないのがまたさらにしんどかったです。
しんどかったしか言ってない。

彼らにとっては伝統を守り継ぐことが正義だった。
まあそんなもの世間一般では正義でもなんでもなくて。
杉下右京がここにいたら、「いい加減にしなさい!!!」と言ってくれていたと思いますが、ここは21世紀ではない。
ライビュでは音量がバグっていてセリフの音量がやたら大きかったのですが、「ひとをころしておいて、なにをいっているんだ?」というシエルの台詞が、しんとした映画館に響き渡っていて、悪の貴族が倫理を説くのか、という気持ちと、今のP4に現実を突きつけないでくれ、という気持ちで心がヒュッとなりました。

グリーンヒル、腕がえぐれてるのでみんなもうちょっと優しくしてあげて。
腕がえぐれててもゾンビに襲われてるレドモンドをかばうグリーンヒルは、どこまでも真っ直ぐで泣きました。
P4は真っ直ぐの方向が違っただけで、きっと歪んだのではなかったんだと私は解釈してます。

とまあ、だいたい内容はさらえたものとして、全体的な感想も残しておきます。
本当はメモにはもっといっぱい書いてあるけど、夜が明けてしまうので。

私は初めてのメルパルク大阪だったのですが、音響イマイチじゃないですか?
東京の会場も、演劇では日本青年館しか行ったことがないし、地元では基本的に劇団四季しか行ったことがないので、あまり比較はできないのですが、前方センブロでは、低音ー高音、歌声ーBGMのバランスが悪く、あまり歌詞が聞き取れない曲が多かったです。
特にタヅラップは、きょうもげんきだなぁ、くらいしかわかりませんでした(双眼鏡で定点してるので、投影されてる歌詞が読めないのもある)。

次の日、1階最後列、音響ボックス前で聞いたときはかなりバランスが良くなっていたので、後方から聞いたときに良く聞こえる音量設定なのでしょうか。
座席も扇形ですし。

あと、かなり両サイドのセットが大きく、2階に柱や柵があるので、段差がほぼなく、見上げる形になる前方では座っている役者の顔にちょうど被ってしまうことが、特に一幕で多かったです。

推しの顔が肉眼で見え、うっすら肉声が聞こえたのはめちゃくちゃ価値のある体験でしたが、作品を楽しむという意味では、今回は後方の席の方がよかった気がします。

ただ、後ろの固定セットは引くほど階段が高いので、どこの席からでもよく見えたと思います。
指揮者するミカエリス先生はとても見やすかったです。

また、もう1つ観劇前に不安だった、アンサンブルが少なすぎる問題。
前作までは、アンサンブル盛り盛り、「概念」みたいなダンサーさん達がいることで2.5っぽさがなくなっている印象だったのですが今回は4人。
4人?????って思ってました。
見たあとは、ほんとに4人???????ってなりました。
明らかに7人とか、多いところで10人以上いました、アンサンブル。
きっと出番じゃない他のキャストさんがやってるんですよねあれ。
めちゃくちゃ歌も踊りも上手で、アンサンブルの少なさによる画面の寂しさは全然なかったです。
出てる方は絶対しんどいと思う。すごい。

思い出したので、楽カテコの話します!
カテコは本編なので。

2公演チケットを持っておいてさらにライビュを買った目的は2つ。
1公演目が近すぎるので記憶が飛ぶ可能性があると思ったこと、絶対楽挨拶があると信じていること。
思ったとおり楽挨拶ありました。ありがとう。

田鶴くんも大ちゃんも佐奈ちゃんも里中くんも、みんな素敵で愛らしい挨拶でしたが、やはり優勝は立石くん。
原宿のわたあめよりふわふわしてた。
立石くんは日替わりに入るとミカエリス先生が抜けてふわついてるのが可愛かったのですが、「立石くん」の挨拶は段違いでした。

絶対みんな袖で見てるのに、スタオベの景色が最高だったよって言うのを「後で伝えておきます」って言ったり、話してる途中で拍手もらって、タモリさんムーヴやって「一回やってみたかった!」って言ったり。
何かにずっと感謝してて、大好きって言ってたのですが、内容の8割ソレでした。

本当にさっきまで悪魔で執事だったんか???
最高でした。
歌と演技が良くなりすぎて不安だったのですが、としくんはとしくんでした。

まだまだ見逃してるとこ絶対あるのでDVD買うぞ~~~~!!!!(毎回言ってる)